身近な環境を知るネット動画
グリーンＴＶは、環境やエコ情報を世界に配信する動画サイトです。このテーマに沿った様々な番組を、ウェブでいつでも、好きなときに無料で見られます。
ＢＢＣのプロデューサーをしていたエイド・トーマス氏が「ＢＢＣなどの従来のテレビでは伝えられない、世界中の環境に関心のある人が活用できるメディアを作ろう」という想いで０６年３月にイギリスで立ち上げました。
日本では０６年にまずイギリスのグリーンTV向けの番組制作を始め、０７年１２月にウェブサイトを本格スタート。現在は、日本語訳のついた番組を毎週3番組ずつ新番組をアップしています。
グリーンTVが既存メディアと異なる一番の特長は「地球のことを考えた、グリーンな社会を作っていこう」という明確なメッセージを持っていること。全ての番組がこの基準をクリアする必要があり、制作する上での明確なガイドラインが用意されているのだそうです。
こうした編集方針の元、様々な特色を備えています。まず、ブログと連携しています（フィードバック・ブログ）。そこからリンクを伝って、例えば、エコを意識した洗剤のコマーシャルなどを見ることができます（動画）。これは、環境問題が、動画と活字の両方に馴染みやすい特色を巧く利用していると思いますね。
現在、グリーンTVジャパンの番組は、ほとんど海外版に日本語訳を付けたもののようです。中には、グリーンＴＶジャパンで制作したものもあり、1割は海外のグリーンＴＶ送るなしているそうです。こうした相方向にコンテンツを配信している点も、環境というテーマが、国を超えたグローバルな関心であり、ひとつの普遍的な価値基準になりつつあることを示しています。
番組の内容は、今まで知らなかった最新の情報が多く、興味が持てます。環境に関する話題は、とかく”まじめ”一辺倒になりそうですが、このＴＶは、公平さとユーモアを忘れません。環境に優しい洗剤のお話でも、自然に優しくなんて言って、女性が厚着して、天然の噴水にとびこんだりしています。また、アニメで、家庭内に出回るPVC（ポリ塩化ビニル）の危険度を訴える番組などもあります。表現力の富む、海外のＣＭを楽しめるという意味でも興味深いですね。
また、フェアトレードなど、きちんとビジネスとしての方向性も意識しています。環境問題は、とかく倫理的な面が強調され、浮世離れした印象を受けることがあります。しかし、ビジネスとしても成立しうる面を紹介することで、より生活実感のある、地に足のついた価値を表現している点でも、よいと思います。
世界のエコ、社会活動をつなぎ、みんなのやる気や想いを実現させているグリーンＴＶ。今後も番組と寄付活動をつなげたり、イベントを実施したり、ますます多彩な取り組みを企画しているとのことで、楽しみです。
僕も、何らかの形で応援したくなるようなＷｅｂです。
