いや〜、異常な冬です。雪がほとんどありません。

田舎に暮らす僕としては楽です、2月なのに小春日和、しかし...。地球の温暖化が、ますます加速している――今日この頃です。

僕も、ささやかながら、こんな努力あんな努力も重ねております。これは、山登りをするせいで、自分がいかにゴミを出すかということに少しは罪の意識を持っているからだと思います。

さて、国連と科学者で作る「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が、地球温暖化に関する最新の科学的知見を集約した第4次報告書をまとめています(2月4日読売社説)。

その報告書によりますと、地球の温暖化が一層、深刻化したことを印象づける内容になっています。例えば、前回報告書は、平均気温について、過去100(1901〜2000年)で0・6度上がり、今回(1906〜2005年)は0・74度とのこと。上昇率が増えているとのことですが、これは、比較するスパンが異なるので、統計学的には???なのです。ただし、スパンを合わせても、上昇しているのは確かでしょう。

原因に関しても、温暖化をもたらしているのは、人類が排出した二酸化炭素などの温室効果ガスである「可能性がかなり高い」と述べているようです。

世界には温室効果ガス原因説に否定的な見方もあります。例えば、ジュラシック・パークの著者、マイケル・クライトン氏は、科学的作家として有名ですが、彼の最新作「恐怖の存在」などは、人間が地球温暖化の本当の原因だろうか?、と問題提起しています。これもまた耳を傾ける意見ではあろうと思います。

僕としては、どちらが正しいとかの議論には興味がありません。ただ、とりあえず、自然環境や地球温暖化に気を配った社会のほうが、そうでない社会よりもマシなことは事実だと考えています。また、こうした観点を教育論議に組み込むことこそ、「美しい国、日本」の具体的な施策になると思います。

仮に、地球の温暖化の主たる要因が二酸化炭素の「温室効果」であるとしたら、日本の場合、二酸化炭素の排出量の約半分が自家用乗用車から排出されているそうです(国土交通省・地球温暖化対策資料)。


国土交通省のHP資料より)

僕たちの生活にもっとも密接に関係する車、これがおそらく地球温暖化に最も悪影響を及ぼしているらしいのです。ふつうの人は、アメリカのアーミッシュみたいに、現代文明の利器を一切否定することはできません。普通の僕たちができることは何でしょうか?

まず、車から排出される二酸化炭素の量は、ガソリンの消費量に正比例します。例えば、ガソリン1リットル燃焼するごとに2.4キログラムの二酸化炭素が排出されるとすると、年間1万KM走る平均的ドライバーが、キロ8KM走るスポーツカーと、12Km走る乗用車で走る場合とで、約1.5倍の格差が出ます。したがって、基本的には、スポーツカーに乗るなと言えない以上、すべからくドライバーは自分の車の燃費を良くする工夫をすべきなのです。

どんな車でも、燃費を良くするための4か条あります。
1.車はきちんと整備する(タイヤの空気圧やオイルやフィルター交換)。
2.燃費を絶えずチェックする。
3.不必要なアイドリングはしない。
4.車を軽くする。
以上の4項目は、ちょっとの努力で、できそうですよね。
なお、ウィキペディアによると、現在の日本の乗用車で世界最高の燃費を実現しているとのこと。最も好成績を収めたのは、以下の2台だそうです。

市販車世界最高燃費(自動車)モード燃費
ガソリンエンジン搭載乗用車(定員2名) - ホンダ・インサイト(36.0km/リットル、現在販売終了)
ガソリンエンジン搭載乗用車(定員4名以上) - トヨタ・プリウス(35.5km/リットル)

プリウスの解説HP

わが国の首相は、精神的に、美しい国、日本を作ろうと懸命ですが、実践を重んじる政治家の多いアメリカ合衆国では、先月26日、ヒラリー・クリントン上院議員が「キャップ&トレード制度」を含む温室効果ガス義務削減法案にサインし、再提出しました(OhmyNews)。

キャップ&トレード制度とは、経済学における、市場原理を最大限に利用した対策です。すなわち、企業に二酸化炭素などの温室効果ガスの排出してよい上限の量を設定し(キャップ)、その上限量より多く排出する場合には排出権を市場から購入しなければならないものとします。経済効果と競争原理を温暖化防止策に結びつけたものです。企業にとっても、対策によって上限量より少なくなれば、あまった排出分を排出権として市場で売ることができ、企業の運営コストを下げることができます。EUでは、導入がすでに決定しているのだそうです。

そして、この法案の後押しとなったのが、ハリケーンカトリーナと映画『不都合な真実』でした。先月、来日したアル・ゴア元副大統領は、2005年、アメリカ南部を襲い、死者・行方不明者1830人を出したカトリーナ地球温暖化との関係を例に、地球温暖化に対する理解と危機意識を高める公演を世界各地で行っているのです。


Goo映画「不都合な真実」HPより

<最後まで読んでくれて、ありがとうございます。>